実地医科のための診療内容向上をめざして開催する
医科・歯科の学術講演会や
明日からの診療にすぐ役立つ研修会・各種セミナーの活動を行っています。

毎年4〜5回シリーズで本試験直前に開催される
「ケアマネージャー模擬試験セミナー」

 保険医協会では、「明日からの診療にすぐ役立つ学術講演会」をモットーに数多くの講演会を開催しています。特に最近では実地医科のために診療内容向上を念頭においた学術講演会や、医療構造改革が吹き荒れる中、医業経営の将来展望を指し示す時局講演会、税務対策セミナー、審査・減点対策セミナー、医業経営対策セミナー等々。
 他には、ケアマネージャーの模擬試験セミナー、ホームヘルパー養成講座を開催し、会員からタイムリーな企画だと喜ばれています。

医療・保健分野の講義
講師:菅井 健二先生

福祉サービス分野の講義
講師:吉村 憲人先生

介護支援分野の講義
講師:賀来  進先生

毎年、8月末に医科・歯科の講師を招いて開催する
「夏季セミナー」

歯科医療の窮状を訴える
宇佐美 宏 保団連歯科代表

参加の先生から鋭い質問も

医療スタッフ全般を対象とし開催する
「患者接遇・コミュニケーションセミナー」

講師のキャリアカウンセラー
工藤 和義先生

熱心にメモを取りながら
受講する参加者

講師が直接参加者の
意見を求める場面も

後期高齢者医療制度学習会開催
9月30日(日)保険医会館3階ホールにて、保団連政策部・寺尾事務局次長を招き後期高齢者医療制度についての学習会を開催。
 今回は一般の方々にも来年4月導入予定の後期高齢者医療制度について詳しく知ってもらうため「後期高齢者医療、特定健診・・・地域医療はどうなる、どうする」と題し県民公開講座として、医療関係者から県民まで約100名が参加。新聞三社(大分合同・朝日・毎日)も取材に訪れ社会的関心の高さがうかがえた。
 寺尾事務局次長は、まず医療改革の背景を丁寧に説明。財源が無い事を理由にした医療費抑制を目的に、社会で受け皿がなく実情に合わない在宅医療への移行などを推し進める政府の姿勢を批判した。高齢者を追い詰めさらに負担を強いる制度であるため、「負担増により患者が受診抑制をし、必要な医療が受けられなくなることが懸念される」と会場の参加者から切実な声が聞かれた。それによる医療機関の収入減や倒産増加も心配される。寺尾事務局次長は、「現在与党でも凍結が検討されているが医療費適正化の方針が変わっているわけではないため。これからの運動で全国保険医団体連合会の真価が問われる」として講演を締めくくった。

医療安全管理研修会開催
今年4月から医療法改正が施行され、今回の改定で特に重要なのが「医療安全管理の義務化」である。病院、有床診療所については平成14年から義務化されているが、今回無床診療所、歯科診療所を含む全ての医療機関に「医療安全管理に関する指針の策定」や「年2回の職員研修実施」等が義務づけられた。
 義務である以上守る必要があり、医療安全管理の徹底は当然必要な事であるが、多くの診療所は医師・歯科医師のほか職員数名の体制で日々目一杯働いている状況にある。その中で厚労省が求める指針策定や院内研修実施を、国や自治体が説明会・研修会も開かず通知だけで実施しろというのは診療所にとり負担が大きい。協会理事会で対応策を協議し、各種規定雛形を含むテキストの作成、医療安全管理研修会開催を決定した。

【大分会場】参加者102名
8月30日の大分会場では冒頭後庵理事が4月施行医療法改正の概要について説明し、「安全管理には十分な看護職員・事務職員が必要。職員数が不充分であれば事故も起こりやすい。安全管理徹底の為にも、医療にかける予算を拡大し、診療報酬引上げを求めていくことがとても重要です」と語った。
 次いで賀来副会長が「医療安全管理義務化」の内容について詳細な説明を実施。具体的に何をする必要があり、何を準備する必要があるのかを分かりやすく解説した。
 続いて協会事務局より、保健所の立入検査についての対応や、今回の義務化によりどのような点を重視されるように変わるのか、また近年指導を受けることの多い注意事項について説明を行った。
【中津会場】参加者43名
大分会場に参加できなかった会員からの要望により、急遽9月23日に中津会場でも研修会を開催した。
 大分会場同様賀来副会長が講師を努め、参加者からは「具体的でわかりやくすく、何からやるべきかわかった」「是非今後も定期開催して欲しい」などの感想が寄せられた。

※「医療安全管理の義務化」により全ての医療機関に年2回、医療安全管理についての内部職員研修が義務化された。ただし無床診・歯科診療所では外部講習会参加でもよいとされている。今回の研修会参加者には終了証を発行し、医療法により求められる義務の一つをクリアできるよう内容も十分に吟味した。院内研修の資料として活用していただけるよう、無料のパワーポイント資料と、当協会オリジナルテキスト(5,000円)を作成したので、必要な際は事務局までお問合せください。

2007年度夏季セミナー開催
8月25・26日恒例の夏季1泊セミナーを開催しました。今年は、日頃の疲れを癒してくれる湯布院温泉と由布岳を一望できる絶景を誇る「ゆふいん七色の風」で開催。遠くは神戸から歯科の先生の参加もあり、2日間で延べ56名の参加がありました。
 1日目は、「戦争における医学者の責任」と題して石井細菌戦部隊から九大生体解剖事件まで中国を何度も歴訪された当協会副会長の賀来先生の史実に基づいた話が中心となりました。懇親会のアトラクションでは、麻生弘先生(当協会・監事)のバンドメンバー、「ログキャビン・ボーイズ」が生演奏をして盛り上げていただきました。
 2日目は、福岡県歯科保険医協会副会長・杉山正隆先生より、多くの写真を紹介しながら、第8回・アジア・太平洋地域国際エイズ会議(スリランカ主催)の最新情報の報告がありました。スリランカでは、国際エイズ会議に国を挙げて取組んでおり大統領の歓迎を受けたこと、日本はエイズ問題が低年齢化しているのに政治家もメディアも来ていないとは考えられないなど、国によって温度差があることなど。
 次に全国的に深刻化している医師不足問題について当事者の立場から、中津市民病院院長の増田英隆先生よりご講演をいただきました。実際の職員勤務状況データなど用いて、医師が8名不足、緊急患者は年々増加それに伴って外科の手術は増え、過重労働で燃え尽きている状況の報告がありました。そんな中でも優良・健全経営と自治体から評価され優良病院で表彰を受けていることなどが紹介されました。中津市民病院の運営方針・理念に触れ「経営は、大価値あれよ」も紹介しながら、日本の医師不足を解消するには、医療政策で1割医学部の定員を設ける以外にないと、苦悩をユーモアにかえながらの講演を締めくくっていただきました。
 最後に保団連副会長の竹田正史先生は、「イギリス・ドイツからみえてきた日本の歯科医療のこれから」と題して外国の医療保険の現状を講演。グローバルな視点にたって今後日本はどのような道をたどっていくのか、日本の将来の医療を考えさせられる内容に「8割が自己負担なんて考えられない。」「とても勉強になりました。」「日本の医療制度の保険証1枚で医療機関にかかれるよさを実感しました。」など、様々な感想も寄せられ、充実した2日間のセミナーを無事終了することができました

エイズ会議での最新情報を報告する杉山正隆先生

アジア・太平洋地域エイズ国際会議(ICAAP)

参加者3500人の中に 日本政府高官の姿なく 日本メディアも黙殺

感染者が全世界で延べ7000万人に達し、拡大を続けるエイズ。問題解決に向け2年に1度開催される「第8回アジア太平洋地域エイズ国際会議」(ICAAP)が8月19日から23日まで、スリランカ・コロンボであった。世界70カ国から3500人の感染者やNGO関係者、医師、政府首脳らが参加したが、日本政府高官の参加は見送られた。日本のメディアの姿もなく、参加者からは批判の声が上がった。
 アジア太平洋地域は中国、インドなどを抱え世界人口の6割を占める。1000万人近い感染者・患者が病禍だけでなく、差別・偏見などとも闘っている。

日本との差が際立つ 政治リーダーの役割
 エイズ国際会議は、地域会議と世界会議の2種類が隔年開催。開催国政府と国連の事実上の共催となっている。毎回、政府首脳が会議に参加することが通例となっている。
 コロンボ会議の開会式には、ラジャバクサ・スリランカ大統領が1時間にわたり出席し、国際社会に連帯を呼び掛けた。タミル過激派(LTTE)と内戦状態にあり、政府首脳が長時間、公衆の面前にいることは異例。国民や国際社会に問題に取り組む強いメッセージを発信した。
 前回2年前の「神戸会議」では、わが国は総理大臣も、厚生労働大臣も出席せず、参加者や各国の強い批判を浴びた。

感染者が目立って増加する日本
 HIVは性行為や母子感染、麻薬の回しうちなどで感染し、放置していればAIDSと呼ばれる重い症状に移行し、10年程度で死に至る。世界では1分間に9人が新たに感染しているが、治療さえすれば死なずにすむ病気になった。多くの国では感染に歯止めが掛かりつつある。
 ところが、先進国で唯一、感染者が目立って増加しているのが、他ならぬ日本だ。「日本は経済力が抜群なのに何故、感染が拡がるのか?」と疑問の声が多く聞かれた。現在の感染者は約2万人。感染に気付かず、恋人や妻らに感染を拡げたあげく、重症化して初めて病院に駆け込む「突然エイズ」が増えている。
 94年に横浜で国際エイズ会議が開かれた際、エイズに関する事件や問題が連日大きく報道され、日本政府も国を挙げて取り組みを進めていった。だが、ほどなく予算は年々削減され、正しい知識の普及など行政の対応は不十分なものに。「日本政府は金も人も出さなくなった」(NGO関係者)と酷評され、感染者への偏見や差別も根深い。

「私だけ」だった日本のメディア
 「コロンボ会議」には200人のメディア関係者が出席し、世界にニュースを発信した。BBCは、国連のアジア地域のエイズ問題を担当するラオ博士にインタビューするなど、エイズ問題の深刻さを世界にアピールした。中国の新華社通信は記者・カメラマン4人の体制で会議をカバーした。
 メディアセンターで話題になったのは、「超大国・日本から記者が1人しか来なかったこと」だ。この記者とは「私」のことで、大手マスコミは会議を黙殺した。
 各国が大臣級、次官級の政府代表を派遣したが、日本は外務省の外郭・JICAと、厚生労働省の外郭・エイズ予防財団の担当者が参加するにとどまった。
 「政府代表も、マスコミも来ない。日本は、HIVの感染が拡がっていることに危機感を持つべきだ」(マレーシア人記者)。

日本の若者の活躍に注目が
 日本からは、こうした現状に危機感を強めた50人ほどのNGO関係者や大学生らが参加。特に20歳前後の女性が様々な形で活躍し、注目を集めた。東京都の外郭団体職員の稲垣朝子さん、東京大学の籠田綾さんはセッションで講演。東京経済大学の石黒恵美さんはポスターで演題発表した。ボランティアとして会議を支えた慶応大学の篠原裕美さんは「この経験を生かし、仲間である若者たちと話し合って、何ができるか考えていきたい」と話した。
 世界でも、わが国でも、HIV感染拡大は今後も続き、新たな感染症も出現するだろう。政府は感染症への取り組みを強めるべきだ。市民へのPRの点からもメディアの果たすべき役割も大きい。ハンセン病や薬害エイズ、薬害肝炎などの轍を踏むべきではない。(歯科医師、日本ジャーナリスト会議運営委員 杉山正隆、写真も)